遺伝子による薄毛の影響
遺伝による薄毛は科学的に一体どこまで解明されているのでしょう。興味深いニュースが発表されてます。薄毛に直結すると見られる遺伝子を見つけたと、ドイツ・ボン大学の研究チームが米専門誌アメリカン・ジャーナル・オブ・ヒューマン・ジェネティクス7月号(電子版)に発表しました。
このチームは40歳以前に薄毛になってしまった男性の家系の血液を調査したのですが、その結果、薄毛になってしまった人は、X染色体にあるアンドロゲンの受容体・遺伝子に変異を認めることができたといいます。
発表によると、「突然変異により(男性ホルモンの一種である)アンドロゲンが強くなり、髪が抜けやすくなるのではないか」とのことです。
男性はXとYの2つの染色体をもち、X染色体というのは、母親からしか受け継がない遺伝子とされています。母親の父が薄毛だと、薄毛になる遺伝子を持っている可能性が高いということです。
ドイツの研究チームの発表が確かですと、母親の父が薄毛の場合、薄毛になる確率が非常に高いということになります。
母親の父が薄毛の場合は、薄毛になる確率が高いということになりますので、若いときから正しいケアが必要とされてきます。もちろん薄毛の原因が遺伝子だけとは考えられません。
そもそも薄毛の遺伝子全てが解明されたわけではありませんし、X染色体にあるアンドロゲンの受容体・遺伝子に変異は要因のひとつにしかすぎないからです。
遺伝でもあきらめるのはまだ早い!
実は同じ遺伝子を持つ「一卵性双子」を対象に、喫煙習慣・食生活・飲酒歴などが薄毛にどんな影響を与えているのかを調べた興味深い調査結果があります。
その結果、同じ遺伝子をもつ双子でも太り気味の人は標準・やせ形体型の人に比べて薄毛になりやすい人が多いということが分かってきました。
誤解がないように申し上げると、現段階では確実に「肥満=薄毛」になるとは言えないみたいですが、台湾の調査でもメタボの人は薄毛になりやすいという結果もあり、肥満やメタボは何かしら薄毛に関わっている可能性が考えられるん だそうです。
同じ薄毛の遺伝子をもっている双子でも、生活習慣で・薄毛になる人・ならない人に分かれるという調査結果も報告されていますので、たとえ薄毛の遺伝をもっていたとしても諦めるのはまだ早いということです。
しかも研究チームは「ほかにも薄毛の遺伝子があると思われるので、一概には言い切れない」としていますので、日頃からの正しいケアは必須なのではないでしょうか。