ヘアカラー・白髪染めは薄毛に影響しますか?
結論からいうと頭皮・髪に対して何らかの悪影響を及ぼす可能性が高い!と言わざる負えないのが現状です。こんな発言をすると美容師・理容師さんに怒られてしまいそうですが、ここからの話は私の経験・客観的な事実をお伝えします。まずはご来店されるお客様のお話です。
白髪が目立つようになってきたので「白髪染め」をはじめました(30歳~70歳)
・白髪が一気に増えた
・抜け毛が増えた
・地肌が見えるようになってきた
・髪のボリュームがなくなってきた
・地肌が赤く、固くなってきた
上記は白髪染めを始めたお客様の共通する意見です。オシャレでヘアカラーを楽しむお客様(若い世代)にも同じような意見が多いです。
私の嫁さん(38歳)の話をすると、嫁さんの髪は剛毛で量が多く(羨ましい限りですが・・・)髪が重く見えるからいやだと、10代の頃から3ヶ月に一回の頻度で美容室でヘアカラーをしていました。事件がおきたのは36歳の夏、いつものように美容室でヘアカラーを行ったその晩、突然頭皮がかゆくなり何事かと鏡で確認すると、頭頂部から後頭部にかけて「かぶれ(出来物)」が多数発生していました。
慌てた嫁さんは次の日にヘアカラーを行った美容室で事情を説明すると、美容師さんの答えは「もうヘアカラーは無理だと思う・・」とのことでした。その美容師さんは非常に良心的な方で、なぜヘアカラーでかぶれたか、本当は頭皮・髪には・・等を分かりやすく説明してくれました。
おまけで私の話
現在39歳、昔は本当に髪が多く悩んでいました。高校生の時は月1回の「ブリーチ」による茶髪。3ヶ月に1回の「アイパー」 高校卒業後は、月1のストレートパーマ(しかも市販の安い物)プラス茶髪。見事に22歳から薄くなりだしました。
※私には2人の弟がいるのですが(32歳と37歳)2人とも茶髪やパーマの経験はほとんどありません。(弟の髪は2人ともフサフサです。)
上記の例はあくまでも客観的な話ですがいかがでしょう?「ヘアカラー・白髪染めで薄毛になるなんてありえない!!」と言われる方もいるかとは思いますし、薄毛の原因全てが「ヘアカラー・白髪染め」だとは思いません。しかし上記の話は事実です。薄毛を気にされるのであれば避けたほうが無難かもしれません。
「あとはあなた次第です・・」
白髪染めとヘアカラーの違い
実は白髪染めはヘアカラーの一種です。白髪を染めるヘアカラーを「白髪染め」と呼び、黒髪を染めるヘアカラーと区別しています。白髪染めと黒髪を染めるヘアカラーでは、毛髪の色を濃くするか、薄くするか、発色させる成分の量や配合が異なります。白髪染めは白髪がうまく染まるよう、ヘアカラーは黒髪がうまく染まるように作られています。
白髪染め、ヘアカラーの仕組み
白髪染めやヘアカラーは永久染毛剤と呼ばれるもので、一般的に1剤と2剤を混ぜ合わせて髪に塗布します。クリーム、ジェル、液状タイプの3種類があります。1剤には、主にパレフェニレンジアミンやパラアミノフェノールなどの染料のプレカーサー(染料前駆体)とカップラー(染料連結体)が入っており、それぞれの量や配合の割合によって、染まる色の濃さが決まります。
2剤には主に過酸化水素が入っており、1剤と反応して酸化染料をつくると同時に、髪の内部にあるメラニンのブリーチ(脱色)を行います。酸化染料は髪の内部に浸透し、発色する作用があります。
髪の毛の表面にヘアカラー液を塗布すると、カラー液がキューティクルを開いて内部に浸透していきます。コルテックスに入ったカラー液は、内部にあるメラニン色素を分解し、染料を沈着させることによって髪の毛の色を変えていきます。
髪の毛を保護する役割のあるキューティクルを開き、コルテックスまで変化させてしまうので、髪の毛自体へのダメージは相当大きくなります。当然、ヘアカラー液が頭皮に付着してしまった場合のダメージも同様です。
ヘアマニキュア
ヘアマニキュアはその名のとおり髪をマニキュアでコーティングする染め方です。コーティングなのでカラー液を内部に浸透させず、表面に沈着させることによって髪の色を変えます。髪の内部への影響はありませんので、ヘアカラーよりは髪・頭皮へのダメージは少ないです。
染色成分は酸性染料で、昔はコールタールから蒸溜し合成されていましたが、現在は石油から作られることがほとんどです。髪の毛にはプラスイオンとマイナスイオンが存在し髪の毛のプラスイオンに酸性染料のマイナスイオンがひっつくことで髪をコーティングし て発色させます。
ただしシャンプーの度に色落ち長持ちしませんし、髪の毛表面に沈着したカラー液が剥がれてしまう時に、キューティクルまで剥がれてしまうので、髪のバサバサ感を気にされる方が多いです。しかし頭皮のことを考えれば、白髪染め・ヘアカラーよりはお勧めだと思います。
ヘアブリーチ
ヘアブリーチは染料を沈着させるのではなく、髪の色素(メラニン)を分解することによって髪の毛の色を変えるカラーリング方法です。仕組みとしては、ブリーチ剤を髪に塗布して内部に浸透させます。薬剤がコルテックス内のメラニン色素を分解し、髪の毛を明るい色に変化させます。
ヘアカラー同様、薬剤浸透時にキューティクルを開き、コルテックスに大きな影響を与えますので髪の毛へのダメージも非常に深刻です。頭皮に強いピリピリ感を感じたり、痛みが発生することもありますので、頭皮・髪の事を考えるのであればヘアブリーチは止めるべきでしょう。